あの人は・・・☆その3

ファッションの話、映画の話、食べ物の話、ヴァカンスの話・・・。


いろいろな話をした。


カフェで、レストランで、彼女の家で、そして車の中で。


ある時、例によって彼女の運転する車に同乗し、例によっておしゃべりをしていたら、急に横からトラックが飛び出してきて、彼女は反射的にブレーキを強く踏んだ。


と同時に右腕をさっと伸ばして私の上半身の前にバリケードをつくった。


キーッというブレーキの音と「アタソシォンッ(気をつけてっ)!」という彼女の声と、その腕のバリケードとが、同一の瞬間に重なった。


彼女の鋭い反射神経のおかげで、幸いにして事なきを得たが、ジュリアをこの時ほど頼もしく思ったことはなかったのです。


トラックの運転手に思い切り「バカヤロウ」という顔をつくってから改めて私の方に向き直って「ニッ」と笑ったその表情は、緊急時の生身の自分をさらけ出したことに対する「照れ」があり、それがとても可愛くいとおしかった。

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